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PDFをMarkdownに変換:見出し・表・数式はどう変わるか

BelinDoc Team2026/08/22

PDF を Markdown に変換して Obsidian・Notion・Logseq や RAG に取り込むための実践ガイド。見出し・表・数式・画像が .md でどうなるか、二段組論文で読み順が崩れる理由、スキャンで先に選ぶべき認識言語、そして Markdown が適さないケース。

PDFをMarkdownに変換する方法:先に結論

PDF を Markdown に変換するときは、単純なテキスト抽出ではなくレイアウト解析を行うツールを使います。PDF をアップロードし、OCR が正しく読めるよう文書の言語を選んでから変換すると、.md ファイル 1 つと images/ フォルダーを含む .zip が得られます。見出し階層・箇条書き・表・コードブロック・LaTeX 数式は対応する Markdown 記法になり、ヘッダー・フッター・ページ番号・段組といった「ページの装飾」は捨てられます。

多くの人がつまずくのはツールではなく期待値です。PDF が記録しているのはインクが紙のどこに載るか、Markdown が記録しているのはその内容が何か。両者の間にあるのは形式変換ではなく再構築であり、本当に運べないものが存在します。

レイアウトの詰まった PDF ページが、見出し・箇条書き・パイプ表・コードブロックからなる構造化 Markdown に分解され、図版は別フォルダーに書き出される


「PDF から文字をコピーする」では駄目な理由

PDF から文字をコピーして .md に貼ると必ず崩れます。これは使うツールとは無関係で、PDF という形式そのものに理由があります。PDF には「見出し」「段落」「表」という概念が存在しません。

PDF のページは描画命令の列です——この文字をこの座標に置け、ここからここまで線を引け。あなたが「節見出し」と読むものは、たまたま大きく太い文字列でしかありません。表に見えるものは、たまたま揃って並んだ文字の塊で、線が引かれていることもあれば引かれていないこともあります。

つまり変換ツールは幾何的な配置から構造を推論しなければなりません。ツール間の品質差はすべてこの一点にあり、同じツールがきれいな報告書では完璧なのに学術論文では崩壊するのもこのためです。

4 つの推論課題(難易度順)

  1. 読み順。 二段組の論文では、素朴な抽出は左右の段を横断して読み、無関係な 2 文を交互に混ぜてしまいます。正しくは段の分割を検出し、各段を上から下へ読む必要があります。
  2. 見出し階層。 16pt 太字が ## で 13pt 太字が ### だと判断しなければならず、しかも絶対的な基準はないのでその文書内の相対的なサイズだけが手がかりです。
  3. 表。 罫線のある表は比較的容易です。配置だけで成立している罫線なしの表は、余白の幾何から列の境界を復元するしかありません。
  4. 数式。 数学記法は座標に配置されたグリフの集まりで、数式用フォントのこともあれば画像のこともあります。そこから \frac{a}{b} を復元するのは、文を読むのとはまったく別の難易度です。

実際に何が運ばれるのか

この表がこの記事で最も保存する価値のある部分です。ここに書いてあるのは Markdown という形式が表現できること、つまりあらゆるツールの上限であり、これを超えられる製品は存在しません。

PDF の要素Markdown での姿信頼度
節見出し## / ### の階層組版が一貫した文書では高い
本文段落通常の段落高い
箇条書き・番号付き-1. のリスト高い
コードブロックフェンス付きブロック等幅フォントで組まれていれば高い
罫線のある表GFM のパイプ表良好
罫線のない表GFM のパイプ表並程度、列境界は配置から推定
LaTeX 数式$...$ / $$...$$インラインとディスプレイは良好、多行の整列環境は弱い
図版・グラフimages/ に書き出し、相対パスで参照抽出は高精度だが、ビットマップになった時点でグラフはデータではなくなる
脚注参照位置の近くの本文に平坦化されることが多い並程度
ヘッダー/フッター/ページ番号破棄意図的。内容ではなくページの装飾
段組1 段に平坦化意図的。Markdown に段組はない
フォント・色・厳密な字間消失Markdown にスタイル層が存在しない

最後の 3 行が「破棄」「消失」なのは意図的です。その文書の意味が色分けや二段組に依存しているなら、Markdown は目的地として間違っており、どのツールでも解決しません。その場合は .docx へ——PDFをWordに変換を参照してください。

ダウンロードが .md ではなく .zip である理由

Markdown ファイルは画像を格納できず、参照することしかできません。したがって図版のある文書を誠実に変換すれば、成果物は必ず 2 つ以上になります——テキストファイルと、それが参照する画像です。

Belin Doc の PDF→Markdown ツールは、.mdimages/ フォルダーを並べた .zip を返し、本文中の相対パスは既に書き込まれています。ノート保管庫やリポジトリに展開すればそのまま画像が表示され、リンクを貼り直す作業は不要です。

これは聞こえる以上に重要です。PDF → Markdown のワークフローで最も多い不満は文字の品質ではなく、ファイルを移動した後に画像リンクが 40 本まとめて切れることです。書き出し時にフォルダー構造を保つのが解決策です。

スキャン PDF:変換の前に認識言語を選ぶ

PDF がスキャン——撮影した書籍のページ、古い契約書、テキスト層のないファイル——なら、抽出できる文字は存在せず、まず OCR で読み取る必要があります。そして OCR の精度は、どの文字体系・言語で読むべきかを伝えたかどうかに大きく左右されます。

Belin Doc はこの選択を推測せず、利用者に委ねています。変換ツールは 16 種類の言語・文字体系を提供しており、簡体字中国語(別途、精度の高いサーバーモデルあり)、繁体字中国語、英語、日本語、韓国語、タイ語、ギリシャ語、タミル語、テルグ語、カンナダ語に加え、ラテン・アラビア・キリル・東スラブ・デーヴァナーガリーという文字体系単位の選択肢が含まれます。

実務上の要点が 2 つあります。

  • 変換後ではなくアップロード前に選ぶ。 言語は変換タスクと一緒に送信されるため、変更するには再変換が必要です。
  • 欧州言語が混在するなら文字体系を選ぶ。 フランス語・ドイツ語・スペイン語が混ざる文書では、単一言語を選ぶより latin のほうが概して良い結果になります。

スキャンかどうか判断できない場合は、二重レイヤー PDF とはに数秒で見分ける方法と、一部の「テキスト版」PDF が実は画像である理由を書いてあります。

Markdown が目的地として不適切な場合

機能を並べるより、この点を正直に書くほうが役に立ちます。

向いている場合:ノートシステム(Obsidian・Notion・Logseq)へ内容を移すとき、RAG や埋め込みのパイプラインに投入するとき、ドキュメントをバージョン管理に入れるとき、20 年後にも開けるプレーンテキストが欲しいとき。

向いていない場合:レイアウトそのものが内容であるとき。条項番号とインデントが法的な意味を持つ契約書、フォーム、請求書、工程図面、スライド、そして「整形された印刷可能な状態」で誰かに返す必要があるもの——いずれも平坦化で本質的な何かを失います。

再考すべき場合:文書の主体が結合セルを含む表であるとき。Markdown の表はセル結合を一切サポートしません。ツールは結合を分割するか値を繰り返すかのどちらかで、どちらも原文の意味ではありません。

「編集」ではなく「読む」ことが目的の長文なら、EPUB のほうが適した目的地です。章構造を保ちながら画面幅に合わせて再流し込みされます。そのトレードオフは PDFをEPUBに変換で扱っています。

PDFをMarkdownに変換する手順

ステップ 1:文書の言語を選ぶ

PDF→Markdown ツールを開き、アップロード前に言語セレクターを文書に合わせます。実テキスト層のある電子版ではほとんど影響しませんが、スキャンでは仕上がりを決める最大の要因です。

ステップ 2:アップロードして変換を開始する

1 ファイルの上限は 100 MB・100 ページです。変換履歴とダウンロードリンクはアカウントに紐づくため、Belin Doc へのログインが必要です。変換は 1 ページにつき翻訳クレジット 1、毎月の無料枠から先に消費されます(登録済みで毎月 500 ページ、ドキュメント翻訳と同じ残高)。変換に失敗したクレジットは自動で返却されます。

ステップ 3:zip をダウンロードして保管庫に展開する

ページ数の多い文書とスキャンは、1 ページずつ解析するため時間がかかります。変換履歴は 24 時間残るのでタブを閉じて構いません。.zip をダウンロードし、.mdimages/ フォルダーを一緒にノート保管庫やリポジトリへ展開すれば、画像リンクはそのまま通ります。

よくある質問(FAQ)

変換後の Markdown に PDF の画像は含まれますか?

含まれます。画像は images/ フォルダーに書き出され、Markdown からは相対パスで参照されます。ダウンロードが素の .md ではなく .zip なのはこのためです。移動するときはフォルダーと Markdown を一緒に動かせばリンクは切れません。

二段組の学術論文でも読み順は正しくなりますか?

段組の検出は素のテキスト抽出ではなくレイアウト解析で行うため、二段組論文は横断せずに段ごとに読まれます。最も難しいのは段組の中に図版や傍注が浮いている密なページで、校正の際は図版の前後にある段落のつながりから確認してください。

数式は編集可能な LaTeX になりますか?

インラインとディスプレイの数式は $$$ で囲まれた LaTeX に変換され、Obsidian・Typora・大半の Markdown エディターで描画されます。多行の整列環境と手組みの行列が最も弱い部分なので、手で確認する価値があります。

PDF→Markdown 変換の費用は?

1 ページにつき翻訳クレジット 1 で、毎月の無料枠から先に消費されます(登録済みで毎月 500 ページ、ドキュメント翻訳と共通の残高)。スキャンページは OCR を通りますが別枠の OCR クレジットは消費せず、失敗した変換は自動返却されます。アップロード前にログインが必要です。

ファイルサイズとページ数の上限は?

1 ファイルあたり 100 MB、100 ページまでです。100 ページを超える文書は途中で失敗するのではなく送信時点で拒否されるため、先に PDF 分割で切り分けてから分割ごとに変換してください。

変換したファイルはどのくらい保管されますか?

変換履歴とダウンロードリンクは 24 時間利用でき、その後ファイルはサーバーから削除されます。残したいものはその間にダウンロードしてください。

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